2024年9月新刊『文学と博物館 静と動の連結とその編成』

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文学と博物館 静と動の連結とその編成  (9784990775599)

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¥2,000
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『文学と博物館』


ことばの群れとしての文学作品は、読者のなかで列車のように動き出す。文学と博物館を通じて、ことばの“静”と“動”を考察する試論。

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静止したことばを集めた辞書、作品を収蔵し展示する美術館、博物館。 都市の街の賑わいも自然の観光地も、模型のカタログも博物館といえる。 著名な作家とその作品群も事典になり、文学館になる。 作品を読めば、読者のなかでことばが動きはじめ、読者自身も動きだす。 作者はことばの連結とその編成で、読者を乗せた列車を走らせる。

ジャンル
一般・その他  
サブタイトル
静と動の連結とその編成
タイトル
文学と博物館
著者・編者・訳者
栂正行著
発行年月日
2024年 9月 30日
定価
2,200円
ISBN
ISBN978-4-9907755-9-9 C0070
判型
四六判並製
頁数
212ページ

著者・編者・訳者紹介

栂正行(とが・まさゆき)

東京都立大学大学院博士課程中退、同人文学部助手を経て、中京大学教養部、国際教養学部、大学院文学研究科各教授、エクステンションセンター所長などを歴任。現在、同大教養教育研究院教授。
著書に『灰都と緑園』、『継承と共有』、『抽象と具体』、『創造と模倣』、『引用と借景』(いずれも三月社)、『絨毯とトランスプランテーション』(音羽書房鶴見書店)、『コヴェント・ガーデン』(河出書房新社)、『刻まれた旅程』(共編著、勁草書房)、『土着と近代』(共編著、音羽書房鶴見書店)、『インド英語小説の世界』(共編著、鳳書房)など。
訳書に『タロット』、『魔術の歴史』、『黒魔術』(いずれも河出書房新社)、『風景と記憶』(共訳、河出書房新社)、『中心の発見』(共訳、草思社)、『モダンの五つの顔』(共訳、せりか書房)、『性のペルソナ』(共訳、河出書房新社)などがある。

内容

文学と博物館を通じて、ことばの“静”と“動”を考察する試論。

静止したことばを集めた辞書がある。作品を収蔵し展示する美術館、博物館がある。都市の街の賑わいも自然の観光地も、模型のカタログも博物館といえる。著名な作家とその作品群も事典になり、文学館になる。作品を読めば、読者のなかでことばが動きはじめ、読者自身も動きだす。作者はことばの連結とその編成で、読者を乗せた列車を走らせる。

「作者が動かしていたものを、再び動かすのは、読者の読書行為そのもの」(本文より)

目次

[章目次]
⦿第一章 文学の動、博物館の静
⦿第二章 博物館を広げていくと
⦿第三章 都市という博物館
⦿第四章 伊豆も箱根も博物館
⦿第五章 色彩を追って
⦿第六章 文学と博物館

[目次]
はじめに

第一章 文学の動、博物館の静

辞書のことばとその用例、静止と運動の傾向
博物館は止まっているか、動いているか
文学は動く、旅をする
意味の充填と空洞化
動かない博物館と動く現実

第二章 博物館を広げていくと

辞書と博物館
レストラン・ミュージアムとファッション・ミュージアム
メルクリン・ミュージアム
動いている車両、停止している車両
デペイズマン
リスボン
新幹線車内の博物館
博物館と万博
美術館
図書館
レコード、CD、DVD
博物館と文学館、漱石山房記念館
三島由紀夫文学館
宮本輝ミュージアム
坪内博士記念演劇博物館
井上、川端、司馬、宮本、谷崎、中野、遠藤、ディケンズ
作家は何を集めるか
画家は何を集めるか
作品が辞書になるとき、作家が事典におさまるとき
研究室も辞書と事典
大学博物館
産業博物館

第三章 都市という博物館

都市ロンドン
ナショナル・ポートレート・ギャラリー
本物のパリ
貨車、デルヴォーの絵画と模型
作家たちのロンドン
都市と都市の案内書
紀行・小説の文体、辞書の文体
自然史博物館、キュー・ガーデンズ
シンガポール動物園、掛川花鳥園
水族館、目黒寄生虫館
交通博物館と〝絵のなかの絵〟
上京文学と方向性
地名事典と参考書
ロード・ノヴェル
街あるき
川越
佐原と地図と旅
アメ横、浅草
鮮魚店、青果店、生花店
種村季弘の大須観音
地下街
日本につくられた外国
新大久保

第四章 伊豆も箱根も博物館

ジオパーク
博物館として見る小田原
小田原と箱根湯元
宮ノ下とチェンバレンの文庫
強羅からのケーブルカー、早雲山からのロープウェイ
もうひとつの箱根巡り
箱根と伊豆半島の不思議
箱庭
真鶴、湯河原、熱海
熱海とブルーノ・タウト
池田満寿夫・佐藤陽子創作の家
起雲閣と太宰
夏目漱石記念館、伊豆近代文学博物館、イギリス村
車窓
沼津と井上靖
函南、三島、源兵衛川
修善寺

第五章 色彩を追って

湖周遊と水の富士宮
虹色の白糸の滝
色彩の博物館
機関車の色彩
どこかに至る色、それ自体が到達点の色
作品の自立
コンテナの色彩博物館の移動
車の色、バスの色
画家のパレットと百貨店

第六章 文学と博物館

『見えない都市』
『蜘蛛女のキス』
博物館的な対象の増殖 
辞書の辞書
クリスティ:ことばが動く、ことばが止まる
小説より始まり事典の完成に終わる
俳優の朗読でクリスティを聴く
ことばの生まれた京都の場
「静」と「動」の共存する文学
メルヴィルの「静」と「動」

おわりに