伊賀上野は芭蕉の生誕地。
生家、菩提寺、記念館、そして蓑虫庵と芭蕉縁の場はいくつもある。
芭蕉は四十歳台に大きな旅をいくつもした。
大阪で「旅に病ん」だ時の目的地は長崎であったともいう。
ところで、「引用と借景の旅」のための画像にキャプションを付しているうちに、もしや俳句というのは土地土地の自然に付されたキャプションのように思えてきた。
ことば以前に自然の風景がある。その風景にことばをあててみる。
そのようなことを俳人はしているのではないかと。
(2017年7月中旬|三重県伊賀市)
当記事は書籍『引用と借景』に関連した旅と風景、印象を著者の許可を得て公開しています。
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『引用と借景 文学・美術・映像・音楽と旅の想到』(栂正行著)
アートを追って人はどこに到着するのか。
鉄道を乗り継ぎながら思索の糸で縦横無尽にアートを連結。
各地のパブリック・アート、美術館・博物館・文学館などを訪ねつつ、
文学・美術・映像・音楽を参照、
モノ・ことば・こころの関係を問いながら、
作品に見られる「引用」と「借景」の営みをたどるアートの意味論。