二つの用語(引用と借景の旅⑨)

『引用と借景』出版から、無意識的ですら、この二つの用語の網の目を通してアートを眺め続けている。 いつまで続くことか。 しかし本来、用語と作品はイタチごっこの関係にあり、用語が作品をとらえる、作品が用語の手をいともたやすく […]

名古屋市美術館(引用と借景の旅⑧)

名古屋市美術館に来るたびにこの空中に引用されたかの男を見ることすでに三十余年。 あらためて引用という観念を頭におき常設展を見直すと、ディエゴ・リベラの「プロレタリアの団結」、三岸好太郎の「海と射光」、赤小川源平の「あいま […]

フォイルズの絵はがき(引用と借景の旅⑥)

『わたしを離さないで』の主人公キャシーとその寄宿学校の生徒たちならいざ知らず、高齢になっても手放せず箱にしまいっぱなしというモノがある。 キャシーたちが閉ざされた空間の中、モノを箱に大事にしまいこんでおくというのはよくわ […]

クレーン車(引用と借景の旅⑤)

クレーン車は、目的の場に次々と資材を引用していく。 やがて資材は引用されたものからひとつの建築物へと変わり、その場に自らの存在を誇示する。 自らが引用物の集合体であることも忘れて。 ちなみにクレーン車のクレーンの裏側には […]

蓑虫庵(引用と借景の旅④)

伊賀上野は芭蕉の生誕地。 生家、菩提寺、記念館、そして蓑虫庵と芭蕉縁の場はいくつもある。 芭蕉は四十歳台に大きな旅をいくつもした。 大阪で「旅に病ん」だ時の目的地は長崎であったともいう。 ところで、「引用と借景の旅」のた […]

本間美術館・鶴舞園(引用と借景の旅③)

鶴舞園の庭に入ると同時にその美しさにしばし立ち止まる。 そういう庭はそうあるものではない。 ふとわれにかえり、庭の高低差を楽しみながら移動する。 建物に入り、今度は中から庭を眺め、もう一度、庭の美しさに目を奪われる。 入 […]

山頂は強風(引用と借景の旅②)

静岡県、新富士駅付近から見た富士山。 あたりが晴れ渡っているだけに、山頂の雪けむりが風速の強さを物語る。 山のように大きな船が疾駆するときの水しぶきを連想させる。 (2017年12月下旬|新富士駅付近) 文・写真|栂正行

焼津小泉八雲記念館(引用と借景の旅①)

書籍『引用と借景』を著した著者による、アートを巡る旅の続きを描く「引用と借景の旅」シリーズ。 焼津小泉八雲記念館。『怪談』などで知られるラフカディオ・ハーンは、ギリシャ生まれのイギリス人。ヨーロッパ、アメリカを経て、島根 […]